注染 〜澤染工場〜

注染とは

注染(ちゅうせん)とは、特殊な糊で防染し重ね上げた生地の上から染料注ぎ模様部分を染め上げる伝統的な型染めの一種です。糸の芯まで色が染まるので生地の裏表無く使用することができ、色の輪郭のにじみや部分的な染めムラにより一枚ごとに個性があります。生地風合いは洗い前から柔らかいですが、使い込むほどに程よく色が抜けてユーザーそれぞれの色を楽めることも魅力の一つです。

澤染工場について

今回はオンラインでの授業ということで職人さんにお願いして染めていただきました。

奈良県にある澤染工場です。ここの注染工場では他にあまりない型彫りから染めまでの一連の流れを受け持っています。その為、短納期でできる利点もあります。一 日で納品したこともあったそうです。型は三層シートというよくシルクスクリーンなどに使われるものを使用しています。少量生産も受け付けており、五十枚から可能です。澤染工場は染屋さんとして成り立っており、オリジナルの手拭いの販売はしてないですが、干支の手拭いを自社で作っておられます。私たちは実際工場へ見学さしていただいたのですが、とても優しく丁寧に全ての工程を教えていただきました。

注染の工程

○デザインチェック

デザインデータを依頼者から頂く。
型紙を受け取る場合は事前にデータを頂き、染めるイメージを確認します。

○染料作り

依頼で頂いたデータから染料を調合し、色を作っていきます。 動画 (YouTube)

◯糊置き

デザインが描かれている型紙を木枠に貼り、手拭いに糊置きをします。
糊置きが終わった手拭いは糊がはがれるのを防ぐ為、両面におがくずを付け床に保管します。
動画 (YouTube) 動画2 (YouTube)

◯土手置き

圧搾機の上に手拭いを置き、一度に多くの布を染めるので布を密着させる為に、重しで叩き、お湯で濡らします。染めていく時に染料と染料が混ざらないようにする為、「土手」を作ります。
実際に土手置きを体験させていただきました。職人さんがすらすらやっているのを見てできるかもと思ったのですが、太さを均一にすることがとても難しかったです。
動画 (YouTube) 動画2 (YouTube)

◯そそぎ染め

やかんのような染料をいれる「ドヒン」を使って、色が必要な部分に注ぎこみます。染料を染み込ませる為、色を注ぎながら、圧搾機で吸引します。ひっくり返して再び土手を作り、表と同じ作業を繰り返すことで裏表なく綺麗に染めることができます。
全て染め終わった後、色止め液をかけます。これが終わるまでは染め上がりが分からず、出来上がりを見る瞬間はドキドキです。
動画 (YouTube) 動画2 (YouTube)

◯水洗い

専用の水洗い機で糊と余分な染料を落とし、乾燥機にかけます。
動画 (YouTube)

◯立干し

七、八メートルほどの高さにある「やぐら」という干場に、命綱なしで登り布を垂らして、乾燥させます。 動画 (YouTube)

◯仕上げ

干し上がった布を手ぬぐい一つあたりの長さに折り重ねて畳んでいきます。その後裁断機で一枚ずつ裁断し、ロールと呼ばれる機械に挟み圧力をかけて五十枚まとめて一気にしわを伸ばします。 出来上がった布は、紙に包んで発送されます。


澤染工場

住所 奈良県生駒郡斑鳩町神南3-3-5 電話 0745746370

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